【企業インタビュー】株式会社9DW / Made in JapanのAIでより良い世界を 目指す (1/2)
今回は人工知能(AI)開発を手がける気鋭の日本企業、株式会社9DWにインタビューをさせていただきました。設立からわずか1年で、国立大学との共同研究や大手企業から多数の受注を受けるまでに成長した背景には、何があるのでしょうか?そのヒントを探るべく、社風や採用理念について伺いました。
代表取締役社長 井元剛さん
取締役CBO 井元玲子さん
最高人工知能責任者 カディック・ジーンさん
見るのは人間性。優秀な人材なら国籍に関係なく雇用したい。
御社の事業と採用において重視する点、働く環境について教えてください。
弊社が目指しているのは、AIを通して世界平和を実現することです。現在日本のAI技術は世界に大きく遅れをとっています。無数にある社会の問題を解決するためにはAIの力を借りるしかないと考えていますが、その時に問われるのは作る人間の倫理観です。だからこそ、日本独自のAIを作ろうと考えました。
社員を採用する際にも重視するのは、数学と英語の能力、やる気、人柄、何より社是への共感と倫理観です。これらがあれば、国籍や日本語の能力に関係なく、優秀な人材を雇いたいというのが弊社のスタンスです。働く環境としても、労働時間や働く場所に制限はなく、他の企業とは異なる環境があります。
起業してまだ1年ですが、既に多くの大手企業を顧客に持っています。現在はそうした顧客の依頼に応じたAIの開発を行うと同時に、社会問題解決のためのAI開発を行なっています。
ジーンさんを採用した経緯を教えてください。
彼には才能がありましたが、日本語ができないことで日本での就活に困っていたようでした。彼は本当にいい人で、現在では他社からスカウトが来るほど秀才です。それでも、弊社の居心地が良くて、働き続けたいと言ってくれています。弊社の理念に共感してくれているのだと思います。
海外のレベルを知ることで、他の社員の刺激になる。
外国人社員がいることで、会社の雰囲気はどう変わりますか?
彼がいることで、他の社員の刺激になっています。世界に比べると日本のAIの技術レベルはかなり低いのが現状ですが、彼は世界トップクラスです。インターン生には英語ができなくても、彼と話した方が良いと勧めています。技術はもちろんですが、彼は人間性も良いので、他の社員やインターン生が彼から学ぶことはすごく良いとことだと考えています。
採用の形式としては欧米のやり方(インターンから正規社員に採用する方法)に似ていますね?
これまで直接の新卒採用は行ったことがありません。最初はインターンやアルバイト、勉強会への参加からはじまります。面接は自分で(社長自ら)行っていますが、数分で終わることがほとんどです。それは普段からインターン生の考え方や行動を見ているからでもあります。
水に合うかどうかは、そこで泳がせてみないと分かりません。逆に水に合うのであれば、能力に関係なく雇いたいと考えています。それまでAIの勉強したことがなくても、1年間やれば、それなりの成果は出せると思います。通年採用ですが、公募は行わず、現在の従業員もみんな人伝に聞いて来たり、勉強会などのイベントを通して知ったりという人がほとんどですね。
これからのチャレンジなどがあれば教えてください。
今はとにかく自由に働ける環境があります。これから100人、1000人と会社が大きくなっても、同じ社風や体制を維持できるかどうかは大きな挑戦であると考えています。
後編では外国人社員のジーンさんのお話を掲載いたします。お楽しみに!
(後編)技術と情熱があれば誰でも活躍できる環境がある【株式会社9DW】
(インタビュー・記事:渡邉絵理)