【外国人社員インタビュー】株式会社グローバル・デイリー / 外国人材だからできる仕事がある 2 / 2

株式会社グローバルデイリーオフィス前にて、尹 日洙さん(左)と張 蕙字さん(右)

グローバル・デイリ公式ホームページ

<取材先>
株式会社DACホールディングス 人事部 採用課 次長 尹 日洙(ユン イルス) さん
株式会社DACホールディングス 社長室 広報課 堀岡 絵美(ホリオカ エミ) さん
株式会社グローバル・デイリー メディアソリューショングループ 次長 張 蕙字(チヨウ ケイウ) さん

 

次にインタビューさせていただいたのは、(株)グローバル・デイリーの自社メディアJAPANKURU(”ジャパンクル”)の統括をはじめ、コンテンツマーケティング部門を管理している張さんです。

面接では「日本で働きたいこと」その想いや理由を精一杯伝えました。

グローバル・デイリーで働くまでの経緯を教えてください。

私は台湾の大学を卒業しています。当時、日本企業の研修を受ける機会があって、それをきっかけに、日本で就職したいという気持ちが強くなりました。しかし、今から約6年前は、台湾で日本企業に就職することは、まだ非常に難しい時代でした。そのため、まずは台湾現地にある日系企業と日本へ進出(を検討)している台湾企業への就職を目指しました。そして、私は、台湾にある大手電子部品メーカーに就職することが決まりました。日本の電機メーカーの買収で日本進出を検討していたためです。私は、就職先のシンクタンクで顧問のアシスタント業務をしていました。しかし、日本企業を買収することが中止になってしまったのです。そこで転職活動をし、日本の大手自動車メーカーの部品を作っている、中国にある企業に就職が決まり、入社前に日本へ旅行しました。そのとき、就職活動で面識のあったグローバル・デイリーの台湾現地パートナー企業から、日本にあるグローバル・デイリーで台湾人を探しているという連絡を受けました。私は旅行中でしたが、グローバル・デイリーで現在社長を務める中原さんと面接をすることになりました。十分に面接の準備ができていませんでしたし、もちろん服装も旅行用のものしかありませんでした。しかし、このチャンスを絶対に逃したくなかったので、面接では「日本で働きたいこと」その想いや理由を精一杯伝えました。面接後、しばらく連絡がなく、中国で働く日が迫っていました。私は、グローバル・デイリーにメールで連絡をして、再度自分の想いを伝えました。その後、グローバル・デイリーから内定の連絡が届いたのです。私は、そのとき中国で働き始めていましたが、すぐに日本へ行くことを決め、グローバル・デイリーで働き始めました。

 

グローバル・デイリーに入社してからの仕事内容について教えてください。

入社した当時は法人営業をしていました。しかも、まだ訪日観光メディアの広告代理事業も始めたばかりです。そのため、お客様を探す必要があり、毎日新規電話をしていました。ただ、私は日本語が上手く話せなかったので、本当に大変でした。しかし、法人営業を続けて2〜3年が経つと、お客様の獲得は安定してきます。それでも、お客様のニーズに応えきれないことはありました。そこで、自分でも海外メディアの仕入れ【※5】を行ったり、広告の企画を考えるようになりました。そのような経験を経て、現在は複数の営業メンバーのマネジメントや広告企画に関する業務を幅広く行っています。

【※5】お客様の広告を出すために、海外から広告を掲載できるメディアを探してくること。グローバル・デイリーでは、インバウンド向けの広告代理業を行っているので、お客様に提供するメディアが必ずしも日本にあるものではなく、海外にあるものを使うこともあります。

 

外国人をハッピーにしたいという想いに共感

日本語ができないなかで営業するのは大変だと思うのですが、辞めたいと思わなかったのですか?

辞めたいと思いましたよ。何度も。(笑)でも、仕事にやりがいを感じていたので、頑張ることができたのだと思います。また、私が採用されるときに、面接で社長から「訪日観光メディアの広告事業をするうえで、現地のことが分かる人が重要で、外国籍の方に期待したい」と言われていました。実際、私は、かなり自由に仕事をさせてもらえたと思います。もし他の日本企業に転職したら、同じように自由に仕事ができるのか疑問でした。仕事がしやすい環境があったし、自分が活躍しやすい事業でもありました。そして、グローバル・デイリーのビジョンの中で、外国人をハッピーにしたいという想いに共感していました。だからこそ、大変だったとしても頑張れたのだと思います。

 

日本語はどのように覚えていったのですか?

営業で電話し続けたら覚えました。(笑)仕事が忙しくて勉強する時間を確保することはできませんでした。そのため、仕事をしながら覚えていったという感じです。お客様も、私の上手くない日本語で相手にしてくれたのは、インバウンドマーケットに興味を持ってくれた社長や部長のような方でした。そのようなお客様に対して、私たちのサービスをどのように説明したらよいか、いつも考えて話をしていたら、いつの間にか日本語はできるようになりました。

 

JAPANKURUはどのような経緯で始まったのですか?

2011年東大震災の後不評被害などで疲弊された日本観光産業の実態に、もどかしさやくやしさを感じていた韓国国籍のある社員らが立ち上げたソリューションがJAPANKURUでした。大好きな日本の観光コンテンツを自ら撮影し毎日ブログやSNSなどで発信し始めたのです。最初は日本に一番来ていた韓国を対象としたのでハングルと日本語・英語のみでしたが、アメリカや香港・中国や台湾など、どんどんスタッフを採用し、発信できる言語を増やしました。現在はフランスやベトナム、タイなど7カ国以上の国籍のスタッフ達によるコンテンツ制作を行っていて、FACEBOOKのファン数は51万を超えています。外国国籍のクリエイター達による体験、そしてそれらを動画や写真などでコンテンツ化し、世界の国別のポータルサイトやコミュニティー、SNSやブログなどから発信をすることで最新で明白なコンテンツマーケティングを行っています。また、”JAPANKURU“という6言語で見れるサイトもありますが、そちらではだれでも投稿できる参加型のコミュニティーサイトとしても運営しています。

 

普段コミュニケーションが取りやすい雰囲気

外国人材が働きやすい環境は、どのような職場だと思いますか?

上下関係が厳しくなくて風通しが良く、コミュニケーションが活発な環境ではないかと思います。外国人は日本人と仕事をするなかで、文化的なギャップは生じやすいと思います。また、日本語が上手くなければ、伝えたいことも上手く伝えられず、ストレスフルな状態になる外国人もいると思います。だからこそ、日本人の社員以上に、コミュニケーションをしっかり取ることが大切だと思います。もちろん、外国人材の日本語力を高めることも必要だと思います。

ちなみに、理由や背景を説明することなしに、マネジメントするための仕組みをいきなり導入したら反発します。グローバル・デイリーでは、チームビルディングの研修があります。そこでは一つの課題に対して、メンバー同士が意見を出し合います。その過程で、一人一人の考え方、個性を知ることができます。そのような機会もあって、普段コミュニケーションが取りやすい雰囲気があるのかもしれません。

 

張さんもマネジメントをされていると思いますが、何か意識されていることはありますか?

外国人は、日本人よりも感情的に分かりやすいと思います。日本人は我慢することが多いため、思っていることがあっても言わないので分かりにくいです。何か特別な方法があるというよりは、しっかりと相手のことを考えて、コミュニケーションを取ることが大事だと思います。失敗や意図しないことがあっても、いきなり怒るのはよくないです。私も外国人ですが、国籍が変われば文化も変わります。文化が変われば、自分がよいと思っていても、相手が必ずしも同じようには考えていない場合があります。だからこそ、その人がどのような考えで行動したのか確認することが大切です。私は、相手が納得するまでコミュニケーションを取るようにしています。

グローバル・デイリーに現在無い、何か新しいものを作って、外国人の方に提供していきたい

今後チャレンジしていきたいことは何ですか?

新しいビジネスを生み出していきたいですね。今は、コンテンツマーケティングをしていますが、前は新規事業構築室にいました。最近「IoT」「シェアリング」など、新しい技術や仕組みが出てきています。それらを活用しながら、グローバル・デイリーに現在無い、何か新しいものを作って、外国人の方に提供していきたいですね。

 

留学生へのアドバイスをお願いします。

ただ就職活動をするのではなく、日本で働きたい理由をしっかり考えてほしいです。何かをきっかけに、日本で働くことが嫌になってしまうこともあるかもしれません。また、日本人でできることであれば、企業は外国人を採用する必要がなくなってしまうかもしれません。だから、自分でなければならない強みを作っていくことが大事だと考えています。また、日本で人脈を作って、上手く活用してほしいです。私も日本に来て苦労しました。そのようなときに、同じ国籍の外国人に助けられたり、新しい事業を作るときに協力してくれたりします。同じ国の人だけではないですが、日本での人間関係を大事にしてほしいです。

 

ありがとうございました。

(インタビュー・記事:田村一也、若林親正)

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