【人事担当インタビュー】KCJ GROUP 株式会社 / エデュテインメントを通して、こどもたちに職業・社会体験を 1 / 2
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こどもたちが楽しみながら仕事や社会を学べる施設「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」を企画・運営するKCJ GROUP 株式会社から「キッザニア東京」事業部の人事担当者と外国籍社員にインタビューしてまいりました。インタビュー当日も、施設は多くのこどもたちで賑わっていました。
「キッザニア東京」事業部管理部人事・総務グループマネジャー
大森清一(おおもりせいいち)さん
「キッザニア東京」事業部グローバルコミュニケーション部アクティビティ&イベントグループ
オールキリアス山内実絵(おーるきりあすやまうちみえ)さん
キッザニアの事業内容を教えてください。
キッザニアは、3〜15歳のこどもを対象とした、職業・社会体験ができる施設の企画と運営をしています。国内には東京の他に、兵庫県西宮市に「キッザニア甲子園」があります。施設の中は一つの街になっており、実社会のように銀行や警察署から航空会社まで、約60のパビリオン(お店)があります。こどもたちは、それぞれのユニフォームを着て仕事を経験し、キッザニアの専用通貨で給料を得ることができます。そして、そのお金を使ってサービスを受けたり、銀行に預けたりと、大人と同じような体験をすることができます。キッザニアは、「エデュテインメント」(「教育Education」と「楽しさEntertainment」を組み合わせた造語)をコンセプトに、楽しく学べることが特徴です。
弊社の社長は「世界中のこどもたちが、一緒に働ける環境を作りたい」という想いを持っており、開業後ほどなくの時期から外国籍社員が日本人社員に英語研修を行なっています。また、現在では「Let’s talk in English!!」という、入退場手続きから全てのアクティビティの全工程までを英語で行うプログラムがあります。
外国人の採用状況について教えてください。
現在、キッザニア東京ではアルバイトを含め12名の外国籍スタッフが働いています。国籍はバラバラです。キッザニアに合う方がいらっしゃれば、新卒・既卒に関係なく採用をしています。採用は、まずはアルバイトやインターンシップを経験していただくところから始まります。
外国人の採用基準はありますか?
まずは日本語力です。日本人のこどもがメインのお客様であるため、日本語能力試験1級に近い語学力が必要になります。また、人柄の面ですが、キッザニアでのこどもと接する際に大切にしている「こども力」と「おとな力」をしっかり理解し、体言できるかを重視しています。「こども力」とは、楽しむ力のことを指していまして、偶然の出来事も含めて楽しみながらこどもたちと全力で仕事をすることで、「おとな力」とは、楽しみつつも安全に対する配慮やこどもに自分で気付いてもらえるよう信じて待つ力のことです。またこどもを1人の大人として接するので、「ちゃん付け」や「くん付け」ではなく、「さん付け」で名前を呼び、丁寧語で話をします。上から目線で教えるのではなく、こどもの視点を持って、自ら気付いてもらえるようなコミュニケーションを取れるかが重要です。もちろん、相手を思いやるホスピタリティも必須ですね。
外国籍社員の研修や人材育成について教えてください。
基本的な研修は日本人と同じです。まずはキッザニアのコンセプトを学んでいただきます。その後、各部署によって異なる研修を行います。グローバルコミュニケーション部は、外国籍社員が中心となって実務トレーニングをしています。
またこちらは主に日本人社員向けの研修の一環ですが、交換留学制度もあります。キッザニアは、1999年にメキシコで誕生した施設でして、そこを訪れて感銘を受けた弊社社長が、日本に施設をつくりました。現在では世界19カ国24都市にキッザニアがあるのですが、その中の1つであるマレーシア・クアラルンプールのキッザニアと交換留学を行っております。年に1回、2〜3週間、それぞれの国にあるキッザニアに研修に行きます。滞在期間中は、その国のスタッフの家にホームステイをします。そのような経験を通して、語学や多様な文化、価値観を学んでいただきます。昨年は、日本から2名が交換留学に参加しました。
キッザニアの仕事を通して、どのようなスキルが身につきますか?
ホスピタリティ精神・スキルを高められると思います。私自身、前職で接客をしていましたが、キッザニアで経験した接客は前の会社のものとは違っていました。先ほど申し上げた「こども力」と「おとな力」が求められる接客です。もちろん保護者として大人の方もいますが、中心になるのは3〜15歳のお子様です。年齢により理解力や出来ることなど、様々な部分で大きく異なります。そのため、毎回対応方法が変わるので非常に難しいですが、ホスピタリティ精神やコミュニケーション能力といったスキルが磨かれると思います。
キッザニアの今後の採用方針や運営について教えてください。
今後もキッザニアのコンセプトに合う方がいらっしゃれば、国籍に関係なく採用をしていきます。実は最近、キッザニアに訪れる外国人観光客が増えています。そのため、ますます外国籍スタッフや日本人スタッフの英語等の外国語対応が重要になってくると思います。このあと話をするミエさんが、接客スタッフとイベントやプログラムを企画するスタッフとの間に立って、課題を見つけ出し、改善してくれています。これまで以上に外国籍スタッフが主に所属するグローバルコミュニケーション部と各部署間において、情報を共有しあったり、協力しあったりすることが、より重要になると感じています。
最後にこれから日本企業へ就職を考える外国人留学生にメッセージをお願いします。
キッザニアには「コスモポリタン」の考え方があり、国籍に関わらず活躍できるチャンスがあります。もし興味を持っていただけたら、ぜひキッザニアにチャレンジしてほしいです。
外国人留学生にとって、日本での就職活動は大変だと思います。しかし、皆さんには、外国人だからこその強みと可能性があると考えます。語学力はもちろん、異文化に適応する力など、そのような強みを活かして、就職活動に臨んで欲しいです。
ありがとうございました!
次回は、外国籍社員のミエさんにお話を伺います。お楽しみに!
後半の記事はこちら
(インタビュー・記事:田村一也、清水航)