【元留学生インタビュー】株式会社Fun Japan Communications / 大企業にはない中小・ベンチャー企業の良さ(2/2)
https://fj-com.co.jp/
早稲田大学 日本語教育研究センターで学ぶ留学生の授業(「ビジネスコミュニケーションのためのケース学習6-8」担当教員:金孝卿)の一貫として、外国籍社員が活躍する企業にインタビューしてきました。
今回訪問させていただく株式会社Fun Japan Communications(※以下Fun Japan Communications)は、海外在住の日本ファンの方々に、日本の観光や食べ物、技術や文化、ライフスタイルなど、幅広い情報を発信するメディアを運営している会社です。多数の外国籍社員が活躍するFun Japan Communicationsで、コンテンツ制作や法人顧客向けにソリューションを提供しているスタッフにインタビューさせていただきました!
<インタビューさせていただいた方>
ストラテジー&ファイナンス Div. 林 美雄
コミュニティーメディアDiv. エディター 松本 まりあ さん(写真後列一番左)
ソリューションマーケティングDiv. 廖 祐群(リョウ)さん(写真前列一番左)
コミュニティーメディアDiv. リム フン チャッ(リム)さん(写真前列左から2番目)
<インタビューに参加した学生>
KOUCH Jenniferさん、SHEVEREV Egorさん(日本語教育研究センター)、LI Leyuさん(大学院商学研究科)ほか、早稲田大学で学ぶ留学生のみなさん
どのような経緯でFun Japan Communicationsに就職したのですか?
(リョウさん)
大学院の教授からの紹介です。私は大学では観光を学び、大学院でMBAを学んでいました。その両方を活かせる仕事を探していたのですが、ちょうど教授から紹介されて、就職することができました。
(リムさん)
インターネットで調べて、マレーシアに関わる仕事で、かつマーケティングに関わる仕事を探していたら、Fun Japan Communicationsにたどり着きました。
(松本さん)
知人からの紹介で知りました。私はFun Japan Communicationsに入社する前はベトナムで仕事をしていました。しかし、日本に帰国しなければならなくなったので、SNSで「帰国する」と書いたところ、前の会社でも一緒だった現在の上司に声をかけてもらえました。
自分に合う業界や会社はどのようにして見つけたらよいですか?
(リムさん)
いろんな業界や企業を見た方がいいと思います。それぞれ異なるので。
また、日本には総合職の考えがあります。つまり、なんでもやるということです。私もFun Japan Communicationsでは、取材をしたり、記事を書いたり、写真を撮ったり、撮られたり、さらには記事の広告も考えています。これが総合職であり、海外とは違うことを理解する必要もあります。
就職活動で何か気をつけることはありますか?
(リムさん)
私の経験上、日本の企業の面接官は、面接に慣れている人が多いと思いました。だから、嘘はすぐに見抜かれると思います。素直に回答した方がよいですね。
(松本さん)
会社の規模に関わらず、いろんな会社を見た方がよいと思います。大企業、中小企業、ベンチャー、雰囲気も働き方も全然違うと思います。
(リムさん)
私は以前、伝統がある大きな会社にいましたが、そのような会社には長く働いている人が多いです。そうすると、その企業特有の文化が生まれます。会社の名前(ブランド力)や事業内容よりも、その文化に合うかどうかも重要になってきます。
採用するときに重要視することは何ですか?
(松本さん)
やる気や頑張りたいと素直に思える姿勢があるかどうかが大切だと思います。面接で自分をよく見せようとしている人は、話を聞いたら分かってしまいます。そのため、正直に自分の考えや思っていることを伝えられているのかどうかが重要になります。
(リムさん)
日本の会社の場合、会社規模にもよりますが、新卒であれば、一般的に仕事を学ぶ準備期間が与えられます。つまり、すぐに仕事ができる能力やスキルだけを求めることはありません。その分、人柄や考え方が重要視されます。
大企業と中小企業の違いは何だと思いますか?
(リョウさん)
大企業は部署の一員になるので、仕事の幅は狭くなります。そのため、勉強できる範囲は広くはありません。その分、専門性が深まります。中小企業だと、幅広い業務が経験できるという違いがありますね。
(松本さん)
大企業だと人事の仕組みや制度など、決まっていることも多いので、外国人に合わせて働き方や制度を変えるのは簡単ではないと思います。その一方で、小さな組織であれば、制度は変えやすくなります。実際、Fun Japan Communicationsでは、去年から出勤時間が変更になりました。変更になったきっかけは、インドネシアのスタッフの子供がまだ小さく、家庭で世話をする必要があったためです。そのため、早く帰れるようになりました。その結果、働き方の自由度が高まりました。このように、社員が多様になることで、様々なライフスタイルに適応する必要が生じますが、小さな組織であれば、制度を変えることもやりやすいように思います。
どんな後輩と仕事がしたいですか?
(リムさん)
自分で考えて、成長してくれる人がいいですね。学生と社会人の違いは、シラバスがないこと。大学の授業では、学ぶことが決まっていて、それを学べばよかった。しかし、社会人は与えられたことをすれば、それでいいというわけではない。自分で必要なことを考えてやることが求められます。
企業に入社した後で、学生のときに持っていたイメージとのギャップはありましたか?
(リムさん)
はい、新卒で入社した会社は、会社のルールとして決まっていることが多いなと感じていました。
社会人になって、転職するときの会社選びは、新卒の学生の頃とは違いますか?
(リムさん)
はい、新卒のときは、自分がやりたいことばかり考えていました。しかし、実際に社会人になって分かったことは、会社にはコストの考え方があることです。人を雇用するにはコストがかかりますし、育成するにもコストがかかります。だからこそ、どのように企業の発展に貢献できるかが重要になります。そのため、自分の知識や能力が活かせるポイントを考え、それができる会社はどこかを考えるようになりました。
また、職場の雰囲気も、とても重要だと思います。楽しく仕事ができないと、長く働くのは厳しいと思います。私にとっては、風通しがいい会社が好きです。Fun Japan Communicationsは、まだ新しい会社なので、決まっていないことのほうが多いです。ただ、社長がすぐ近くにいて、声をかけやすいので、やりたいことを伝えて、やらせてもらいやすい環境です。
留学生にメッセージをお願いします?
(リムさん)
就職先として日本を検討してくださって、とても嬉しいです。日本は企業によって、カラーがまったく異なるので、入社前にOB訪問や会社説明会に参加して、気になる会社を見つけてみてください。皆さんの外国人目線の考え方やアイデアは、間違いなく日本の企業に良い影響を与えることができます。自信をもって、自分のやりたいことや強みをアピールしてください!いつか一緒に働けることを楽しみにしています。
(リョウさん)
覚悟を持って頑張ってほしいです。軽い気持ちで日本で働くのは大変です。私も母国台湾ではできないことにチャレンジしたいと思っています。就職する前に、同じような外国人の先輩にたくさん話を聞いて、いろんなことを学んで、チャレンジしてほしいと思います。
ありがとうございました!
(インタビュー:田村 一也)