【元留学生インタビュー】株式会社9DW / 技術と情熱があれば誰でも活躍できる環境がある (2/2)
前回に引き続き、人工知能(AI)開発を手がける気鋭の日本企業、株式会社9DWにインタビューをさせていただきました。社名となっている「ナイン・ヘッズ・ドラゴン・ワークス(九頭竜)」にはAIを通して平和な世界を築きたいという想いが込められています。そんな社是に共感し、日本で働く外国人社員の方にインタビューしてきました。
代表取締役社長 井元剛さん
取締役CBO 井元玲子さん
最高人工知能責任者 カディック・ジーンさん
「社員は家族」それが働き続ける理由
経歴と現在のお仕事の内容を教えてください。
フランスでは2つの大学で数学と文化人類学の2分野を選考していました。この2つの分野を融合させ、人の役に立つことをやりたいと思い、AIに興味を持ちました。博士号を取得するため日本に来日、ソフトバンクとの共同研究にも参画し、社会的相互作用(Social Interaction)の開発に携わりました。その後、現在の会社と出会って大学を辞め、それ以来弊社で働いています。
弊社では、最高人工知能責任者として主にAIの遺伝子的アルゴリズム(Genetic Algorithm)、教師なし学習(Unsupervised Learning)、深層学習(Deep Learning)に関するスーパーバイザーを務めています。
フランスと日本で働くことの違いは何かありますか?
日本では、就職してから教育を受けます(OJT方式です)が、フランスではそれまでの経歴に応じて企業に入社します。弊社では自由な環境があるため、フランス企業と大きな違いは感じません。私が知る限り、通常日系企業は上下関係がはっきりしていますが、この会社ではそうした文化はありません。
現在日本語を勉強しているとのことですが、モチベーションとなっているものは何でしょう?
主な理由は、顧客とコミュニケーションを取りたいからです。今は打ち合わせの後に通訳してもらっていますが、できればその場でやり取りできるようになりたいです。
他の社員とはどのようにコミュニケーションを取っていますか?
ボディーランゲージです(笑)日本語と英語半々です。AIの研究をしているため、社員は英語の論文を読めますが、話すのは得意でないです(笑)でもそこにストレスは感じません。
入社後に新たに得たスキルや経験はありますか?
コミュニケーションスキル、マネージメントスキル、(製品のデモ行う際の)プレゼンテーションスキルなどです。技術的なスキルも少しずつ上がっていると思います。
会社や上司から十分なサポートを得られていますか?
常に自分のことを気にかけてくれています。この会社では、社員は家族のようなものです。誰とでも気軽に話せるアットホームな環境があります。とにかく「フリー」な環境、働きやすさが、ここで働き続ける最も大きな理由です。
企業を選ぶ際に重要なのは、自分が何を重視するか
夢や目標があれば教えてください。
AIが社会の役に立つだろうという期待を抱いています。社会に溢れるデータを生かして、AIは良いことにも使えますし、悪用することもできます。(AIの生かされ方は)技術の問題ではなく、その企業や政府の問題です。
現在多くの企業はマーケティングのためにAIを利用していますが、弊社では異なり、社会問題解決のためのAIを開発しています。そうした動きが将来もっと多くなれば良いと思います。
日本で働きたい留学生や外国人へのメッセージがあればお願いします。
日本における労働市場は大きいと感じています。日本企業で働くことは時に楽かもしれませんが、日本語が話せなければなりませんし、長時間労働やストレスの多い環境に適応しなければなりません。また、家族や友人と過ごす時間も限られます。
ただ、現在のような自由な働き方のできる会社もあります。そこでは常に情熱と自主性、創造力が求められます。そして、自分が何をやりたいのか明確にする必要があります。とにかく、今の仕事が楽しいです!
貴重なお話をありがとうございました!
前はこちら:「(前編)Made in JapanのAIでより良い世界を 目指す【株式会社9DW】」
(インタビュー・記事:渡邉絵理)