【人事担当インタビュー】株式会社タウ /外国人材と共につくるグローバルビジネス(1/2)

【写真】(株)タウ1

https://www.tau.co.jp/

株式会社タウ(※以下タウ)は、ダメージカーや中古の輸送機器を、国内外に販売している商社です。日本車やフォークリフト、自動車用オイルなどを世界中に輸出されている同社は、2017年に、経済産業省で取り組んでいる新ダイバーシティ経営企業100選にも選ばれている優良企業です。今回は、多様性あふれる企業の人事責任者にインタビューさせていただきました!

※新ダイバーシティ経営企業100選:多様な人材を登用し、事業拡大や発展を遂げた企業に送られる賞。

 

執行役員 人事部長 加藤 善久 さん

パーツ事業部 特販課 課長 ラドジャボフ アブドゥヴォヒド さん

 

タウは、どのような事業をされている会社ですか?

壊れた車、いわゆるダメージカーを国内外の修理業を営んでいる方に販売しています。扱っているものは、自動車や自動車用オイル、フォークリフトや農業機械などがあります。現在では、110ヵ国以上に輸出販売しており、創業22年目を終え、売り上げは269億となりました。売り上げの60%は海外向けの販売です。ただ、直接海外で取引されているのは、そのうちの30%くらいです。海外向け販売の多くは、国内にいる外国人バイヤーが買い付け、海外に販売しています。

 

グローバル化された経緯を教えてください。

まず事業の始まりは、創業者の原田が石油商社にいた頃に、海外でダメージカーの活用ビジネスを知り、日本でも導入したほうがよいと考え、事業をスタートしたことがきっかけです。初めは、国内で仕入れて、国内で販売していました。契機となったのは、Windows95によってインターネットが普及したことです。インターネットにより、海外とのつながりが容易になりました。創業3年目からは、オーストラリアとニュージーランドで、現地で社員を採用して、事業を開始しました。その後、他の国からも問い合わせが増え、日本での海外販売をコントロールする必要を感じ、社員のグルーバル化を始めて行きました。日本法人での外国籍社員の採用は、2004年にロシア国籍の方を採用したのが初めてです。その後、事業拡大に合わせて、外国籍社員の方も増やしていきました。

 

【写真】(株)タウ2

 

外国籍社員の採用、受け入れを行うことで苦労したことはありますか?

採用し始めた頃は、採用しても定着せずに辞めてしまう方が多かった点です。そこで、問題解決をするために、先ほど申し上げたロシア国籍の社員を経営企画室に配属し、人事制度やマーケティングを一緒に変革していきました。以前、私たちは、日本人として、日本的な考え方で外国人に対応していました。例えば、長期雇用前提の人事制度であったり、年功序列制度であったりです。しかし、外国籍の方は結果を求めるスピード感が違います。そのため、従来の日本式の制度で、平社員で1,2年我慢してもらうのは難しいことが分かりました。そこで、人事評価を年2回に増やし、成果を出した社員については、その分給与を上げるようにしました。また、余暇に対する考え方も異なるので、有給休暇の範囲ですが、帰国できるように長期休暇が取れるようにしました。中には3ヶ月くらい帰国することを希望するケースもあったので、休職に近い形でお休みを取れるようにしました。人事制度を変えにくいところは、運用方法を工夫することで対応しました。

 

外国人材を増やしたことで、どのような影響がありましたか?

人事制度を変えたことは、日本人社員にとっても良い影響をもたらしました。日本人社員も働き方が柔軟になり、例えば子育て中の女性社員など、働き方に制約がある社員の定着率向上にもつながりました。また、外国籍社員が増えたことで、海外の売り上げも伸びました。今では、外国人といっても日本人と変わらない形で仕事ができる環境になりました。さらに、外国籍社員を採用するときの課題であった定着率も、以前より改善されて良くなっています。

 

どのような採用基準で外国人材を採用していますか?

まず、仕事の特徴を考えると、日本語能力が重要になります。N2でもよいのですが、N1を取得できるレベルの方を優先して採用しています。仕事を行うにあたって、社内外でコミュニケーションが重要になるポジションが多いため、日本語力が必要になります。それが満たされれば、あとは人柄です。タウという会社の風土に合うかどうかです。具体的には「誠実さ」や「協調性」など、人柄を重視して選考を行います。

 

どのように募集をされているのですか?

中途採用は求人メディアや人材紹介を使っています。新卒採用もそうですが、会社HPに直接問い合わせがくることもあります。また、特徴的な事例かもしれませんが、兄弟で入社するケースがいくつかありました。先日採用した外国人から弟を紹介され、良い方だったので採用しました。外国籍の方の応募自体も増えているように思います。

 

【写真】(株)タウ3

 

現在何名の外国籍社員がいらっしゃるのですか?

17ヵ国39名の外国籍社員がいます。ただ、22名は現地採用にしています。これから海外展開を加速させ、現地での採用も増やしていく考えです。

 

日本で採用されている外国人材に期待していることは何ですか?

今後、海外展開を加速させるので、現地で事業とスタッフのマネジメントをしてもらいたいと考えています。現在でも、すでにマニラではマネジメント業務をしている社員がいます。そして、現地社員は20名くらいになりました。先日、その現地社員を研修のために、日本本社に呼びました。これから海外での採用も増やしていきますが、日本本社との人材交流も行っていきたいと考えています。

 

これから日本企業に就職を目指す留学生にアドバイスお願いします。

日本で働く理由は、人によって様々だと思います。日本に住むことにポジティブな人もいれば、日本企業で働きたい人もいると思います。いずれにせよ、日本企業を探すときには、給与だけでなく、労働環境や自分がやりたいことを実現できる環境があるかなど、トータルで自分に合うかどうかを考えることが大切ではないかと思います。

 

ありがとうございました!

次回は、タウ社で働く外国籍社員にインタビューします。お楽しみに!

 

※タウの採用ページはこちら!インターンシップやセミ01ナー情報がアップされます。

http://www.tau.co.jp/recruit/

 

(インタビュー:田村 一也、萩原 遥)

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