【人事担当インタビュー】株式会社HDE / 日本語は不要。100点満点採用で世界から優秀な人材が集まる企業とは?
企業向けのメール/クラウドセキュリティ分野の製品を自社で開発・販売する株式会社HDE。7000社以上にサービスを展開してきた実績あるIT企業です。そんな同社は最近、海外からの学生の採用を始め話題となっています。今回は人事部の髙橋さんにそのグローバル採用についてお聞きしました。
海外から優秀で英語も話せる人材を採用
外国人採用を始められた経緯を教えてください。
まず、会社の知名度が低いため良い人材が来ないという問題に悩んでいました。新卒採用はずっとやっているし、30社以上の新卒紹介の人材会社を使っていましたが、なかなか思い通りの人材が手に入らない状況でした。また、サービスをクラウド製品に特化していくうちに、取引先に対して英語対応が必須になってきていたんです。その2点が重なり、いっそのこと海外から優秀で英語も話せる人材を採用してはどうかと考えたんです。
そこで、2014年の夏から秋にかけて台湾、ベトナム、インドネシアを訪れました。学生団体やビジネスコンテスト、現地の人材エージェントなどを経由して現地の学生に直接話を聞いたり、大学のキャリアセンターに飛び込みで話を聞きに行ったりしました。話を聞くことで、エンジニアのレベル感や日本への親しみ具合などを探りました。そしてインドネシアのバンドン工科大学に訪れたときに、「来月にジョブフェアをやるから来たら?」と言われたんです。インドネシア内外から約2万人の学生が来る大きなイベントで、100社が参加するが日本から参加する企業はないとのこと。急な誘いで驚きましたが、参加してみると3500枚のビラがすぐに無くなって、当日だけで300人ほどのインターンエントリーがありました。そこで手応えを感じ、海外の学生の直接採用を始めることになったんです。
どういった採用手順なのですか?
海外の学生採用では、インターンシップ’HDE Global Internship Program’を経験してもらう形をとっています。日本国内はもちろん、グローバルに世界各国からのエンジニア志望の学生を受け入れ、実用的なアプリケーション開発を体験出来る4-8週間のプログラムです。使用言語は英語なので、日本語のスキルは必要ありません。日本までの渡航費や滞在費、ビザのサポートなどプログラムにかかる費用は会社が負担します。2014年から始めて今までで海外から約4000人以上ののエントリーがあり、約50人の学生にプログラムに参加してもらいました。
4000人の中から50人の通過率は超難関ですね。どういう採用基準なのですか?
当社では、数年前から「100点満点採用」という高い基準を設けています。以前は当社の知名度が低かったこともあり、我々でこの人は欲しい、という人材がなかなか来なかったんです。でもそれでは企業の組織力が上がらない。であればあえて基準をあげて100点の優秀な人材を採用することにしました。これは全ての採用においてあえて高いレベルの基準を設け、グローバル採用も同様です。採用で見ているのは、具体的には、卓越した技術力を持っていること、テクノロジーで世界を変えることをやりがいに出来ること、そして自ら学び成長できること、主にこの3点を見ています。他にもHDEの事業や考え方に賛同できるか、どうしてHDEでなければならないのか、HDEで働き活躍するイメージをお互いに抱くことができるかなどの点も重要ですね。
英語の社内公用語化
外国人社員が日本や企業に馴染むためのサポートなどはありますか?
日本自体グローバル化が進んでいないこともあって、採用で必要な手続きが外国人対応していないことが多いんです。例えばビザの申請や銀行口座、携帯電話、病院の手続きなど。こうしたプロセスは会社が極力サポートできるようにしています。
また、言語に関しては英語の社内公用語化を導入することで言葉の壁を無くそうとしています。社内のシステムの英語化を進めるとともに、既存の日本人社員にはオンライン英語学習やセブ短期語学留学などを通して英語の習得に努めてもらっています。また、新しく入った外国人社員と日替わりのメンバーでランチに行く「ランチパレード」を行っています。会社がランチ代を出してくれるんです。こういう場で積極的にコミュニケーションを取ることで言語の壁も少しずつ低くなっていくと考えています。
日本在住の学生採用に関してはどのような選考を行っているのですか?
通年で面接型の新卒採用を行う一方で、「海外出張かばん持ちインターンシップ」というビジネスディベロップメント職のインターンシップ選考も行っています。1週間ほどHDE社員の海外出張と一緒に行っていただき、海外ビジネスを体験してもらうプログラムです。渡航費や宿泊費は全て負担します。選考段階から自分で提案や企画をしてもらい、社員と同じレベルで働いてもらうという非常に密度の濃い内容なので、学生も企業もお互い時間をかけてマッチしているかを見ることができます。日本の方も外国人の方も大歓迎です。
ありがとうございました!