【企業インタビュー】荏原商事株式会社 / 夢は日本の技術で海外の社会インフラを支える!

荏原商事株式会社の島田薫さんと李祐漢さん

今回は、総合エンジニアリング企業として、私たちの毎日の生活や社会の発展を支える事業を行う荏原商事株式会社様を訪ねました。海外進出を目指して新しい改革を行う社長の島田さん、女性管理職として活躍される橋本さん、将来への夢を語る外国人社員の季さんにインタビューをしてきました。

 

代表取締役社長 島田薫さん

管理統括 管理統括部 部長 橋本絵里奈さん

エンジニアリング部 エンジニアリング第5課 李祐漢さん

  

100年続く企業を目指して

御社の事業内容やビジネスの特徴について教えてください。

島田社長:大きく3つの柱があります。大きな柱である公共事業の分野では、上下水道施設の設計・施工から保守・メンテナンスまでを行っています。民間の仕事としては、大手メーカーの工場向けにユーティリティ設備を納入したり、大型施設の空調を含めたプラント設備の納入を行なったりしています。また、エネルギーソリューソンとして、再生可能エネルギー事業も行なっています。

弊社の強みとしては、有資格者(技術者)が多いこと、地方自治体を中心とするお客様との信頼関係が強いことが挙げられます。会社の歴史は70年と古く、これまで先輩方が築いてきたものを後輩が受け継ぐ体制ができていると思います。

 

仕事にかける情熱や想いについて教えてください。

島田社長:弊社は「100年続く企業」を目指しています。100年まであと30年ですが、受け継いで来たものを未来に引き継ぎ、社員一丸となってこのミッションを達成できれば良いと考えています。

 

求める人材について教えてください。

島田社長:弊社は真面目な社員が多いです。そのため、良い意味で弾けた子や、ゲームチェンジャーを求めています。これまで保守的にやってきた歴史があるため、それを変えてくれる人材が必要だと考えています。

橋本さん:私は先代の社長のときに入社していますが、現在の島田社長になられてから、様々な改革が行われてきました。システム構築、人事制度改革、海外展開、事業計画の明確化と社員への浸透など、大きな変化がありました。次の30年に向けても、更なる改革が必要となります。私たちはそこについていける・先駆けていける人材を求めています。20代で入社した新入社員が50代になるときに弊社は100年を迎えます。その際に、会社の担い手になってくれることを期待したいですね。

他に人事として重視している点は、コミュニケーション能力、様々なことに興味を持って吸収していこうという姿勢、自分で新しいことを開拓していけることです。

 

外国人採用についてどのようなお考えをお持ちでしょうか?

島田社長:昔から外国人社員を歓迎しています。異なる文化や考え方、知識に触れることで、日本人社員の視野が広がり、刺激になると思います。

橋本さん:社長がおっしゃる通り、外国人がいることで他の社員の刺激になり、共存する中で学び合えることは多いと思います。また、留学生は、知識や経験の面で優秀な学生が多いという印象を持っています。ただ、受け入れる側として語学のハードルがあるため、日本語ができる人材を採用しているのが実情です。お客様とも日本語でコミュニケーションを取らなければなりません。将来的には、日本と海外の架け橋となれるような人材を増やしたいと考えています。

 

一番大切なのは社員

御社の社風や働く環境について教えてください。

島田社長:経営理念として、ステークホルダーを大切にすることを掲げています。スピード感を持って仕事に取り組み、お客様の信頼を得て、利益を構築し、社員に還元するというサイクルを意識しています。私にとっては社員が一番大切ですね。また、決して華やかな仕事ではありませんが、社員もみな、地域社会や地域住民に貢献しているというやり甲斐と、社会インフラを支えているというプライドを持って仕事に取り組んでいます。

 

今後の事業方針やグローバル戦略について教えてください。

島田社長:昔からの夢は、売上300億円です。これを言い続けてきたことで、200億円の売上を維持できるようになりました。また、社会インフラの事業を行なっていますので、社会に貢献するという精神と誇りを守り続けることです。

その上で、今一番の目標は、海外で上下水道事業を展開することです。これまでの70年の歴史の中で築き上げた高い水準の日本の技術を、海外に持っていきたいと考えています。世界各国の公共事業に関わるのは簡単ではありませんが、現地に進出している日系企業の保守・メンテナンスに関わることで、海外での知名度と事業のチャンスを増やしていけたらと良いと考えています。特に注力していきたいのは、台湾、タイ、ベトナム、マレーシアの中小自治体です。李もそうですが、外国籍社員には、日本の技術を自分の国に持ち帰ってもらい、その国のインフラの発展に繋げてもらえたら良いと考えています。

 

 

日本と母国の架け橋になりたい

これまでの生い立ちや経歴を教えてください

李さん:両親の仕事の関係で、幼い頃より日本と台湾を行き来していました。台湾の大学で土木を学んだのち、東京大学大学院で都市工学を勉強しました。小さい頃から台湾での台風の水害を目にしたり、大学で土木を勉強したりしている中で、上下水道というインフラの重要性を感じていました。台湾の都市部では上下水道の整備は進んでいますが、地方ではまだまだという印象です。こうした経験から弊社を志望しました。現在は、施工管理・点検を行なっています。具体的には客先との折衝、工程の管理・調整、年次月次点検を行い、継続的にサービスを続けていくという業務を担っています。

 

就活で苦労したことはありますか?

李さん:就活においては、どこから手をつけたら良いか、どのように情報を仕入れるかが分からずに苦労しました。また、大学院生だったため、同世代で就活をする仲間や相談できる人が少なかったです。特に専門分野が異なると、受ける業界も異なってしまうので、大変でした。

 

御社で働く魅力にについて教えてください。

李さん:会社の規模感が丁度良く、スピード感を持って仕事ができます。また、社員を大切にしてくれる会社だと思います。

橋本さん:私も丁度良い規模感の会社だと思います。社長や人事からしても、末端まで社員の顔が見えているため、何かあればすぐに周りからフォローが入りますし、先輩が後輩を育て上げる循環もできています。そうした環境が離職率の低さに繋がっているのだと思います。また、女性にとっても働きやすい環境があります。有給も取りやすいですし、100%育児休業後復帰しているという実績もあります。

 

実際に、日本の企業で働いてみていかがですか?

李さん:日本企業で働く前は、スーツを着て、電車に揺られてという典型的なサラリーマンのイメージがありましたが(笑)、会社内は思ったより生き生きしていました。また、ものづくりを通して、目に見える形で誰かの役に立ったときに、仕事のやり甲斐や喜びを感じます。

さらに働く中で、機械・電気など、これまで知らなかった分野に関する知識が身につきました。資格取得のための勉強会もありますし、分からないことは積極的に先輩に聞くようにしています。

 

今後の目標や夢について教えてください。

李さん:社長の話とも重なりますが、ここで培った技術を持って、台湾でより良いインフラサービスを提供できたら良いと考えています。

 

これから日本で就活を行う留学生・外国人へのメッセージをお願いします。

李さん:日本は新卒一括採用という他国とは異なる採用方式です。大切なのは企業に関する情報や企業の求める人物像など、しっかり情報収集をすることです。また、できるだけたくさんのサービスを積極的に活用してもらいたいですね。さらに、留学生は希薄になりがちですが、人と人との繋がりを大切にすることで、良い企業との出会いがあるはずです。

 

ありがとうございました!

(インタビュー・記事:渡邉絵理)

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