【留学生企業インタビュー】BEENOS株式会社 / 多国籍社員が働く企業の仕事の仕方(1/2)

【画像】留学生企業インタビューBEENOS社1

今回の企業インタビューは “特別編”です!早稲田大学 日本語教育研究センターで学ぶ留学生の授業(「ビジネスコミュニケーションのためのケース学習6-8」担当教員:金孝卿)の一貫として、外国籍社員が活躍する日本企業にインタビューしてきました。第1弾はBEENOS株式会社(以下BEENOS)」です。

https://beenos.com/

 

<インタビュアー>

■カン ミンジョン さん(早稲田大学 日本語教育研究センター 日本語教育プログラム生)(写真:左から2番目)

■ミヤグスク ハルユキ さん(早稲田大学大学院 経営管理研究科 専門職学位課程)(写真:中央)

<インタビュイー>

■BEENOS株式会社 社長室 ブランドマネージャー 笠松 太洋 さん(写真:左から1番目)

■BEENOS株式会社 社長室 人事/採用チーム 船戸 麻美子 さん(写真:右から1番目)

■株式会社ショップエアライン サブマネージャー バヨット アイリン さん(写真:右から2番目)

株式会社ショップエアラインはBEENOS株式会社のグループ会社です。

http://www.shopairlines.com/

 

(osigoto.com事務局 田村)

本日は、よろしくお願いします。初めに、皆さんの自己紹介をお願いできますか?

(アイリンさん)

私は、日本に来て、もう10年間住んでいます。3年前にBEEENOSに転職して、現在はエンジニアチームのプロジェクトマネジメントをしています。

(笠松さん)

私は、新卒でBEENOSに入社して、今年で9年目です。入社後、グループ会社でマーケティングを経験して、現在は人事採用担当をしています。

(船戸さん)

私は、昨年中途入社でBEENOSのメンバーになりました。これまでのキャリアでは、人事が最も長く、現在もBEENOSで新卒・中途採用の担当をしています。

 

(笠松さん)

私から、まずBEENOSについて紹介させていただきますね。BEENOSは、ホールディングスカンパニーで、複数の事業会社を抱えています。越境Eコマースを強みにしていて、現在3つの軸で事業を行なっております。1つ目は越境Eコマース事業、2つ目はブランドやお酒の買取を中心としたバリューサイクル事業、そして最後に芸能人や漫画家などのラインセンスを活用して商品企画開発を行う事業です。従業員数は、グループ全体で16国籍、約1,200名になります。拠点は、品川本社をはじめ、国内は北九州や鳥取、海外は台湾にオフィスがあります。その他、ロサンゼルスには自社運営の物流センター、そしてオランダ、ドイツ、イギリスには業務委託の物流センターがあります。

 

【画像】留学生企業インタビューBEENOS社2

 

(カンさん)※ここからQは、インタビュアーのカンさんの質問です。

Q.外国籍社員(留学生)の役割を教えてください。

(アイリンさん)

現在、外国籍社員はプログラミングなど、エンジニアの仕事をしている方が多いです。

 

Q.エンジニア以外で仕事をされている方はいますか?

(船戸さん)

はい、います。BEENOSグループでは、特に国籍は関係なく、その方々が活かされる言語や能力があれば、それぞれのポジションで活かしてほしいと考えて、受け入れています。

(笠松さん)

インターンシップでも、外国籍メンバーを受け入れていますが、レベル感は高いと思います。エンジニア職であれば、何かしらの経験があって、プログラミングテストにクリアした方になります。インターンシップの場合でも、国籍や性別はまったく関係ありません。

 

Q.外国籍社員とのコミュニケーションはどのようにされているのですか?

(アイリンさん)

私のグループでは、フランス、ドイツ、アメリカ、メキシコ、ベネズエラなど、様々な国籍の社員がいます。そのため、様々な言語でコミュニケーションを取っています。日本語は話せたほうがよいですが、苦手な人もいます。毎日少しずつ仕事をしながら学んでもらえれば大丈夫です。

 

Q.tenso(https://www.tenso.com/jp)で、海外の人に日本のモノを販売するとき、翻訳はどうしているのですか?

(笠松さん)

tensoでは 120の国と地域に日本の商品を送っています。そのとき、必ず多言語のカスタマーサポートが必要になります。カスタマーサポートは、日本語、中国語、英語で対応しています。それら3言語で、ほとんどのお客様の対応ができます。そのため、もしtensoのエンジニアが、中国語を話せなかったとしても、カスタマーサポートで対応ができるので大丈夫です。

ちなみに、英語が話せなければ仕事ができないかというと、そういうわけではないです。あくまで優秀な人を採用しようとしたら、結果的に社員が多国籍になりました。

tenso:BEENOSグループの企業の1社で、”Buyee”というサービスを行っている。

 

【画像】留学生企業インタビューBEENOS社3

 

Q.ジョブローテーションはありますか?

(船戸さん)

エンジニア職は少ないです。専門スキルを活かす仕事であるため、例えばカスタマーサポートの仕事ができるかというと、スキルが合わないためです。新卒入社の社員であれば、勉強した専門分野に関わらず柔軟に配属ができるかもしれませんが、中途入社の人材はスキルをもとに採用するので、配属先は特定されるケースが多いです。ただし、本人が望めば、専門とは別のポジションも検討します。

 

Q.毎日のスケジュールを教えてください。

(アイリンさん)

基本的に日々開発をしています。不具合の修正が生じると残業が増えますね。

(笠松さん)

BEENOSグループでは、基本的にルーティーンが決まっている訳ではないので、いつもスケジュールが異なります。お客様から開発案件をもらって開発しているわけではなく、自分たちのサービスを開発しているので、納期は自分たちで考えて、話し合って設定しています。

(アイリンさん)

納期を話し合って決めて、それを実行するために、毎日プロジェクトを管理しています。

(船戸さん)

職種によってもスケジュールは異なりますね。

 

Q.女性の働き方について教えてください。

(船戸さん)

まず、社員の男女比率は半々です。ただ、部署によって異なります。例えば、エンジニアは男性のほうが多くなり、経理だと女性が多くなったりします。それぞれが活躍しやすいポジションで仕事をしていますが、女性も働きやすい環境があると思います。

 

Q.出産した後も職場復帰できますか?

はい。産休や育休を取得する社員は多いです。職場に復帰した後は、時短勤務で、勤務時間を調整することもできます。女性にとって働きやすい環境作りに取り組んでいます。

 

【画像】留学生企業インタビューBEENOS社4

 

Q.BEENOSグループだから働きやすいことや特徴はありますか?

(船戸さん)

自律的で自分で考えて仕事を作る人が多い会社だと感じています。実際、やらなきゃいけない仕事はありますが、「やれ」と言われることは少なく、課題に対して”やりたいこと”を伝えて、やっている感覚があります。そのため、タスクをこなしている感覚がないです。最初は戸惑いましたが、自分で選択して仕事をしている感じがあって、その分やりがいがあります。

(アイリンさん)

差別もなく働きやすいと感じます。また、やりたいことがあれば、チャンスがもらえる会社だと思います。これまで私がいた会社に比べたら、残業も少ないと思いますし、子供がいる女性にとって働きやすい環境があると思います。

(笠松さん)

今のような話を聞くと、良いことばかりのように聞こえるかもしれません。しかし、その分、結果は求められると思います。人によっては、上司に言われることをやって評価されるほうがが楽な人もいます。そういう人にとってはBEENOSグループで働くのは大変かもしれません。

(アイリンさん)

そうですね、責任感が必要ですね。自分で考えて、やるべきことを納期までに終えることが重要です。

 

Q.個人が、自由に仕事ができる風土がある印象を受けますが、チームとして仕事をする環境はありますか?

(笠松さん)

はい、みんなが自由に好きなことをしてしまっては、事業は上手くいかないので、チームで考えをすり合わせる機会を重要視しています。まず会社の方針があって、そのうえでチームの方針があって、最後に個人の方針があります。その範囲の中で、それぞれが自分で考えて仕事をしています。

(船戸さん)

実際、人事グループでも、コミュニケーションを密に取っています。

 

Q.採用選考で重要なポイントは何ですか?

(笠松さん)

最終的には「その人と一緒に働きたいか」だと思います。話していて、楽しい人がいいですね。それは単なるユーモアではなく、パッションや能力など、何か魅力がある人という意味です。そういう人であれば、面接の時点で知識や能力が足りなくても、成長ができると感じます。人柄を重視して採用しているので、結果的に似ている人が集まっている組織になっていると思います。だからこそ、それぞれの社員が同じ考えを持って、採用活動ができるのだと思います。

(アイリンさん)

もちろんエンジニアは、スキルが必要です。ただスキルは、多少足りなくても、入社後に変えられます。それよりも、人柄のほうが変えることが難しいです。

(笠松さん)

会社に合わない人を採用してしまうと、ネガティブな雰囲気が会社に拡がってしまうので、気をつけています。

(船戸さん)

新卒の学生だと、「好奇心や学習意欲があって、チャレンジしてみよう」という人が多く採用されている印象があります。BEENOSグループでは中途採用も多いので、全体的に求める仕事レベルは高いと思います。そのため、主体的に考えて行動ができるかが重要になります。「研修で何でも教えてもらえる」という意識を持つような、受身の人だと活躍するのが難しいです。自分で考えても分からなければ、相談できる環境はあるので、自分で他の社員に聞きに行けるような人柄がよいですね。

 

Q.研修期間はどのくらいありますか?

(笠松さん)

研修はチームによって変わります。例えば、新卒入社の社員だと、2週間の基礎研修があります。具体的には、メンタリティ(考え方)やビジネスマナーなどの研修です。ビジネスマナーでは、どのように振る舞うと、お客様がどう思うかを認識してもらうようにしています。その後は、配属先それぞれのチームで、研修(OJT)をしてもらっています。

 

Q.新規事業で扱うものの基準はありますか?

(笠松さん)

まず大きくスケール(展開)できるかどうかという基準があります。例えば、弊社で扱っているブランド品は、どこの国においても普遍的な価値があって、流通させられることができます。そして、日本人は比較的丁寧にモノを扱う傾向があるので、中古品でも良い状態のものを提供できる可能性が高いです。さらに、年月が経っても価値が下がらないことが重要です。時間の経過によって価値が変わらなければ、在庫を持っていても価値の変動が少なくすみます。むしろ、お酒とかであればプレミアムが付くこともあります。従ってブランドとお酒はスケーラビリティのある商材と言えます。ほんの一例ですが、このような基準で新規事業を考えるようにしています。

 

Q.競争相手はどのような企業になりますか?

(笠松さん)

それぞれの事業によっても競争相手は異なります。例えば、ショップエアラインでは、e-bayは唯一のオフィシャルパートナーです。しかし一方で、競合にもなりえます。ただ、そのような企業に負けない自社ノウハウがあります。だからこそ、上手く共存し合えています。また、Eコマースなど似たような事業を行う企業もありますが、BEENOSグループだからできる強みがあるので、必ずしも競合にはなりません。別の事業では、中国など海外の企業で強い競合はあります。このように事業もそうですが、国内や海外でも競合は変わってきます。

 

(カンさん)

インタビューありがとうございました。

 

今回のインタビューはここまでです。後半はハルユキさんのインタビューが続きます!

次回、お楽しみに!

 

(担当:田村 一也)

 

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