【人事担当インタビュー】ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 / Be yourself!自分らしさを大切に!
みなさん、Liptonの紅茶を飲んだことありますか?またはBEN&JERRY’Sのアイスクリームは食べたことありますか?どちらも、美味しいですよね!では、これらのブランドを展開する企業を知っていますか?
今回はLiptonなどの食品・飲料から、LuxやDoveなどのパーソナルケア製品、Domestosなどのホームケア製品まで幅広く扱う外資系メーカーのユニリーバ・ジャパンさんにインタビューを行いました。取材に応じていただいたのは人事部の福井さんです。世界的に有名なメーカーの採用方針は一体どのようなものなのでしょうか?
ヒューマンリソース 人事マネジャー HRビジネスパートナー
福井茂貴 様
常にチャレンジできる機会を与えています。
近年の御社の留学生の採用現状ついて教えて下さい。
2012〜2016年において、新卒採用の人数が毎年10人前後で、マーケティング職、カスタマーディベロップメント職、サプライチェーン職で採用をしています。その中で外国人の採用は2-3年に1人ほどですね。2017年4月の新卒採用11名のうち1名は中国人です。直近では中国籍の方が多いですが、全社的にはオーストラリア、フィリピン出身の社員もいます。選考フローは日本人と外国人の区別は無く、全て同じです。語学力に関しては、ネイティブ並みの日本語力が必要です。チームに日本語が話せない外国人の社員がいる場合は、英語でコミュニケーションを取りますので英語力も必要になります。
どのような社員育成を行っているのですか?
仕事、人、研修、本など様々な部分から学んで欲しいと思いますが、ユニリーバでは、仕事:人:研修/本=7:2:1の割合で学ぶのが一番効率的だという理論のもと社員育成を行なっています。そのため、基礎的な研修の後は、1人で仕事を担当してもらいます。徐々に小さな仕事からやるというよりは若手のうちから大きな仕事を任せていき、自分自身で仕事から様々なことを学び成長してもらいます。自分が出来る範囲の仕事に満足してコンフォートゾーンにとどまるか、それとも難しい仕事に挑戦するかどうかは自由ですが、私たちは常にチャレンジできる機会を与えられるようにしています。
また、新卒採用はすべてユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラム(UFLP)という、グローバルで統一されたプログラムに入ります。これは、早期にマネジャーを目指すプログラムで、希望者は早いうちにいろいろな部署をローテーションで経験します。カスタマーディベロップメントとマーケティングの部署間や、マーケティングの部署内でのローテーションなど様々です。On the Job training が中心ですから、様々な仕事を実践することでそれぞれの仕事の関係性などを学び、より俯瞰的に自分の仕事を捉えられるようになることを目指します。
年齢や社歴、国籍、人種などに関係なく、グローバルリーダーとしてのリーダーシップを求めています。
新入社員にどんな力を求めていますか?特に、外国人社員には?
新入社員だからこんな力が欲しいとか、外国人社員だからこうあってほしい、といった基準はありません。年齢や社歴、国籍、人種などに関係なく、グローバルリーダーとしてのリーダーシップを求めます。そのためにも固定概念にとらわれない姿勢や、多様性に関してオープンなことなどを重視しています。
選考において大学の成績などは考慮されますか?
ユニリーバは学歴や大学の成績をもとに合否の判断はしません。長期的な目的や目標は何か、そしてそれを目指す上でなぜ働く場としてユニリーバを選ぶのかという理由を、自分の中でしっかり納得して語って頂きたいと思っています。「よりよい明日を創るために」というユニリーバのビジョンに共感でき、自分らしく働ける方をぜひ採用したいと思います。
英語力は重視しますか?
はい。英語は仕事の様々な部分で使います。チームに外国人の社員がいれば英語を使うのはもちろん、海外から来ている外国人上司と話すときも、海外チームとやりとりするときも英語です。したがって、新卒採用においてはTOEICスコア800点を応募条件とさせて頂いています。ただし、発音などは気にしていません。それよりも、自分の想いをしっかり伝えられることが大切であり、英語をそのためのツールとして使えるかがポイントだと考えています。
国籍や人種を理由に人を区別することはなく、その人自身を見て理解します。
外国人が入社するときに文化の差など不安に思うことがありますが、何かサポート体制などはありますか?
ユニリーバでは、国籍や人種を理由に人を区別することはなく、その人自身を見て理解します。そのため、外国人だけのための特別な手当はありません。ただ、社員全員に対して、直属の上司や人事との定期的なミーティングやコーチングを行っており、何か不安や困ったことがあればいつでもサポートが得られるようにしています。
現在、社内において、 チームリーダー・プロジェクトリーダー・マネージャーになるまでどのくらいかかりますか?
ユニリーバはパフォーマンスカルチャーの会社です。正しいリーダーシップを発揮して実績を出している人ほど昇進のチャンスがあります。チームリーダーやプロジェクトリーダーについては1年目からチャンスが与えられるので、若いうちからリーダーシップを伸ばす機会があります。また、ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラムでは早期にマネジャーになることを目指しており、日本においてももっとグローバル水準に近づけるよう昇進のスピードを上げていきたいと考えています。
社員は同じ目的を共有する仲間として、違いを尊重しながら日々仕事をしています。
会社にとって外国人社員を採用したメリット・デメリットは何ですか?
ユニリーバは世界190カ国でビジネスをしています。多様な市場や消費者に対応するため、社内でも多様性を非常に重視しています。ここでいう多様性には、国籍や人種といった違いだけではなく、考え方、働き方など、一人ひとり違っていることすべてが含まれています。その上で、一人ひとりが「Be Yourself(自分らしくある)」ということを大切しています。このような文化がベースにあるので、いろいろな違いの中の国籍だけに注目し、外国人採用をするメリット・デメリットを分析することはしていません。
ただ、多様性にはメリットがあると思います。国籍も含めて多様な社員がいると、さまざまな意見がぶつかり合います。それで仕事がうまく進まなくなることもありますが、そこから生まれるアイディアもあります。だからこそ、社員は同じ目的を共有する仲間として、違いを尊重しながら日々仕事をしているのです。
これから5年間の会社の戦略と方針を教えて下さい。
グローバルの成長戦略「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)に沿って、環境負荷を減らし、社会に貢献しながら、成長を実現していきたいと考えています。USLPには3つの主要な目標があり、①10億人以上のすこやかな暮らしを支援する、②製品ライフサイクルからの環境負荷を半減させる、③原材料となる農産物すべてで持続可能な調達を実現し、バリューチェーンにかかわる人々の暮らしを向上させることを目指しています。また、社内の多様性もひきつづき尊重していきます。ユニリーバ・ジャパンの女性管理職比率は30%を超えていますが、地球の人口の男女比と同じ50%を目指しています。また、昨年WAA (Work from Anywhere and Anytime)という新しい制度を導入するなど、働き方の多様性も大切にしていきたいと思っています。
ありがとうございました!
(インタビュー・記事:新多 可奈子、狄 暁宇、Zahratunnisa Ekaputri)